「僕が働いて返します」真冬の夜、九歳の少年が救急外来へ。封筒の宛名を見て、私は凍りついた
「僕が働いて返します。妹だけ、助けてください」
真冬の夜の、救急外来の入口。
九歳の少年が、凍えた妹を抱いたまま、私に頭を下げた。
靴は、びしょ濡れだった。
指は、紫色だった。
ポケットから出した手には、硬貨が数枚、握られていた。
「お金、三千四百円あります」
私は、言葉が出なかった。
その一時間前。
私は、手術室の前の廊下に立っていた。……
最後までゆっくりお聞きいただけたら嬉しいです。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
目次
0:00 第〇幕 掴み
2:02 第一幕 大雪の夜
6:46 第二幕 手術中の電話
15:41 第三幕 雪の子守唄
24:42 第四幕 三千四百円
31:21 第五幕 九歳の患者
41:06 第六幕 封筒
50:39 第七幕 泥だらけの義母
58:53 第八幕 ゆきのこ
1:09:17 第九幕 赤いランプが消える時
1:20:23 第十幕 朝まで
1:29:43 第十一幕 朝の来客
1:39:44 第十二幕 春
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