【自邸哲学】延床面積60㎡に満たない小さな自邸 五十嵐理人/家の躯体|IGArchitects
この小さな建築は大きなワンルームだ。
東京の小さく限られた敷地に現れた、強靭でいて、どこかやわらかなRCの躯体。
一歩足を踏み入れれば、そこには「壁」という概念がほとんど存在しない、自由な小宇宙が広がっています。
建築家・五十嵐理人氏(IGArchitects)が導き出したのは、「3枚のずれた壁」と「7枚の重なる床」という極めてシンプルな構成。しかし、そのシンプルさこそが、都市で暮らすリアリティに対する一つの鮮烈な回答となって結実しました。
■ 「床」が役割を脱ぎ捨て、居場所へと変わる
この家において、床は単なる通路ではありません。
段差によって緩やかに仕切られた空間では、さっきまで床だった場所が椅子になり、机になり、棚になり、時には天井へと姿を変えます。
北側光の贅沢: あえて南を閉じ、北側の大きな開口部から一日中安定した光を採り込む。ひとたび窓を開ければ、家全体が庭やテラスのような開放感に包まれます。
強靭なワンルーム: 生活と仕事の境界をあいまいに。どこにいても互いの気配を感じられる、大らかな設計。
■ 「そのまま大人になった」少年の瞳が作る空間
そんな彼の純粋な哲学が投影された空間は、訪れる人に「まるでカフェやショップのようだ」と言わしめるほどの強度を持っています。「遺跡のように大きく力強い躯体の中に、人のスケールに合わせた居場所を配する」。その試みは、単なる住宅の枠を超え、新しい「住むこと」のあり方を私たちに突きつけます。
延床面積60㎡に満たない小さな家が、なぜこれほどまでに豊かなのか。
数字以上の広がりと、昼夜を問わず光と戯れる住環境。
建築家の原体験と、お施主様の理想が重なり合って生まれた「強度の建築」を、ぜひその目でお確かめください。
◼︎家の躯体
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