アインシュタイン–ローゼン橋(2)― クルスカル座標で見る:橋は閉じ、通り抜けられない|量子重力 第4回
量子重力・ブラックホール・ワームホールを、物理学科の学部生向けに解説する講義シリーズ(全13回)の第4回です。前回のアインシュタイン–ローゼン橋を、時間の方向も含めて調べます。地平面 r = 2M での発散が座標の選び方の問題であることを確かめたうえで、亀の座標とクルスカル座標を導入し、永久ブラックホールの時空が4つの領域に分かれることを見ます。次に、いちばん細い部分の半径が時間とともに 2M から 0 まで小さくなり、橋がちぎれることを式で示します。さらに、未来に向かって進む限り dU ≥ 0、dV ≥ 0 なので、一方の宇宙からもう一方の宇宙へは光でさえ行けないことを示します。
前回:アインシュタイン–ローゼン橋(1)― 負エネルギーの要らない「橋」
• アインシュタイン–ローゼン橋(1)― 負エネルギーの要らない「橋」|量子重力 第3回
次回:トンネル効果と虚時間・インスタントン ― 時間を虚数にすると、山が谷になる
• トンネル効果と虚時間・インスタントン ― 時間を虚数にすると、山が谷になる|量子重力...
▼参考文献
・M. D. Kruskal, "Maximal Extension of Schwarzschild Metric," Phys. Rev. 119, 1743 (1960).
・R. W. Fuller, J. A. Wheeler, "Causality and Multiply Connected Space-Time," Phys. Rev. 128, 919 (1962).
・P. Gao, D. L. Jafferis, A. C. Wall, JHEP 12, 151 (2017) [arXiv:1608.05687](第9回で扱う).
・元ノート「量子重力・ブラックホール・ワームホール」第6.5〜6.7節.
波場直之(大阪公立大学理学研究科・教授・理学博士・理論物理学者)https://sites.google.com/view/naoyuki...
コメント 読み込み中…