燃える氷はなぜ使えないのか? 日本の海底に眠るメタンハイドレート
火を近づけると燃え出す白い氷、メタンハイドレート。日本周辺の海底に大量に眠り、2013年には日本が世界で初めて海底からガスを取り出しました。
それから10年以上、なぜこの「燃える氷」はまだ商業生産されていないのでしょうか。
氷が燃える理由(水の分子のカゴに閉じ込められたメタン)、海底でできるしくみ、南海トラフや日本海側に眠る量、圧力を下げてガスを取り出す「減圧法」、2013年と2017年の海洋産出試験で見えた砂と水の壁、採算と環境の課題、そしてアラスカでの10か月を超える長期試験と今後の計画まで、約13分で解説します。
▼チャプター
0:00 燃える氷
0:43 第1章 なぜ氷が燃えるのか
2:14 第2章 海底で作られる天然ガス
3:13 第3章 日本の海底に眠る巨大な資源
4:56 第4章 掘れば出てくるわけではない
6:16 第5章 2013年、世界初の成功
7:48 第6章 再挑戦、そして新たな壁
8:49 第7章 なぜ実用化が難しいのか
10:23 第8章 アラスカでの新たな実験
11:32 第9章 日本の燃える氷は実用化されるのか
12:31 まとめ
▼補足
エネルギー自給率16.4%は、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2024年度速報値です。
東部南海トラフの約1兆1,000億立方メートルは、地中に存在すると推定される原始資源量で、すべてを取り出せる量ではありません。
2013年の第1回海洋産出試験(渥美半島〜志摩半島沖、地球深部探査船「ちきゅう」)は約6日間・約12万立方メートル、2017年の第2回は2本の井戸で合計36日間です。
アラスカ州ノーススロープでの長期陸上産出試験は2023年9月19日〜2024年7月30日(現地時間)で、生産したガスは試験設備の発電機などの燃料として使われました(JOGMEC発表)。2026年10月、JOGMECは米国との研究協力の継続を発表しています。
砂層型の研究開発は2026年度から新しい段階に入り、2028年度に次の海洋産出試験が計画されています。政府の目標は「2030年度までに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されること」で、2030年に商業生産が始まると決まったわけではありません。
動画内の分子のカゴ、海底や地層の断面、地図、グラフはイラスト・イメージです。燃えるメタンハイドレートや海底の写真は米国地質調査所(USGS)のもので、日本近海のものではありません。「ちきゅう」の写真は港に停泊中のもの、アラスカの写真はプルドーベイの既存のガス処理施設で、試験設備そのものではありません。
▼クレジット
ナレーション:VOICEVOX:玄野武宏
写真(Wikimedia Commons)
・燃えるメタンハイドレート:USGS(パブリックドメイン)https://commons.wikimedia.org/wiki/Fi...
・インド洋のガスハイドレート:USGS(パブリックドメイン)
・岩の下のガスハイドレート:USGS(パブリックドメイン)
・海底の泥の中のメタンハイドレート:USGS(CC0)
・ガスハイドレートの結晶:USGS Woods Hole Coastal and Marine Science Center(CC0)
・マリック試験井のガスハイドレート:USGS(パブリックドメイン)
・地球深部探査船「ちきゅう」:Batholith(パブリックドメイン)
・プルドーベイのガス処理施設:FairbanksMike(CC BY 2.0)https://commons.wikimedia.org/wiki/Fi...
▼参考
JOGMEC「米国アラスカ州でメタンハイドレート層から10か月間のガス産出試験を実施」https://www.jogmec.go.jp/news/release...
日本メタンハイドレート調査株式会社 https://jmh.co.jp/
資源エネルギー庁「日本のエネルギー2025」
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