前八寸 鮑の香り焼 フォアグラのトースト 翡翠茄子ジュレ掛け 海月チーズ 鰺の酢締め亜茶羅和え
「旬感」九月の持寄り料理「前八寸」
技術理事 福士正人
9月の前八寸としまして、季節の掻敷を散らしてみました。
温かいものから、「鮑の香り焼」は、鮑を殼付きのまま綺麗に洗います。水・酒・濃口醤油・塩・味醂を合わせ、昆布・大根と共に、鮑を入れて、蒸し器で2時間蒸します。玉葱を微塵切りにして、狐色になるまで40分程ゆっくり炒めます。卵黄にサラダ油を加えて玉子の素をつくり、先ほどの炒めた玉葱を加えて、薄口醤油・塩・白漉し味噌で味を調え、塩抜きした海苔を混ぜます。蒸しあげた鮑、海老、あわび茸を鮑の殼に盛り付け、上から先ほど合わせた玉子の素を掛けてオーブンで焼きます。
次に「フォアグラのトースト」です。パンはブリオッシュというフォアグラに合う、生地に水の代わりにミルクとバターを多く使ったパンを使用しています。パンを庖丁して、天火で焼き、フォアグラは、小麦粉をまぶして、フライパンでソテーし、ワイン醤油を絡めて先ほどのパンに盛り付け、スライスしたオレンジを乗せ、フォアグラトーストとしました。ワイン醤油は、赤ワインと濃口醤油に砂糖・バターを加えて作ってあります。
「翡翠茄子ジュレ掛け」ですが、茄子を油で揚げてすぐに氷水に取り、冷やして皮を剥き、翡翠茄子とします。鰹出汁に薄口醤油・味醂を合わせ、先ほどの翡翠茄子を一晩漬けます。長芋を線に切り、昆布の上に乗せて長芋に昆布の旨味と香り、味を付け、昆布締めにします。ジュレは鰹出汁に薄口醤油・味醂を合わせ、ゼラチンで固めジュレとします。茄子を切り出し、ジュレを張り、長芋を乗せて天にアクセントにピンクペッパーを添えました。
「海月チーズ」ですが、塩漬の海月を水に晒し、塩を抜きます。80℃のお湯で20秒ほど茹でた後、冷水に取り、5~6時間水に晒すと良いといわれていますが、私は、今回は3時間ほど晒しました。鰹出汁・濃口醤油・味醂・砂糖・黒酢・胡麻油で味を調え、先ほどの海月を一晩漬けます。クリームチーズに少し白味噌を加えたもので、海月を和えて胡瓜、トマトを飾り、盛り付けます。
「鰺の亜茶羅」は、鰺を三枚におろし、塩をした後、酢締めにして、 昆布を挟んで一日寝かせて細引きします。東京沢庵、茗荷、新生姜を庖丁し、先ほどの鰺と合わせて土佐酢を少し加えて亜茶羅を作りました。以上です。
■関西調理師永朋舎の会報月刊『永朋』は技術技能の向上を目指す調理師のための情報誌です。献立づくりや料理のヒントになる写真や絵献立、中でも団体及び業界誌を含め、第一線で活躍する最も実践的な内容を誇る「旬感」は唯一無二の企画として定評があります。
技術部・企画部・編集部を中心に各部と青年部が総力を上げて実行し、一人の献立ではなく六人の会員が、毎月題材を決めて前菜・お椀・焼物・煮物・揚物・酢の物など(造りは除く)の作品を持ち寄り、実際に試食をして意見や感想を述べ合う勉強会です。また毎回、副会長、上席相談役、理事長、幹事長、副理事長が一名アドバイザーとして出席し、指導的な立場でアドバイスします。
日本料理の伝統的な食文化を踏まえながら、季節の素材を吟味し、また新しい食材を取り入れたり、思い思いの創作料理を持ち寄るという、まさに料理人として切磋琢磨する恰好の舞台でもあります。
#日本料理 #和食 #前八寸 #前菜
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